トライクは、二輪車と四輪車の中間的な存在である為、両方の特質を持ち、また、トライク独特の特徴も持っています。その中で、大きな魅力の一つとなっているのが「走行性能」です。
●二輪車との比較
二輪車とトライクの走行性能を比較した場合に最も大きな違いとなるのが、「安定性」です。トライクは二輪車とことなり3つのタイヤで車体を支えている為、静止時でも独立することが可能です。そのような特性をもつことにより、低速時でも二輪車とは比較にならない安定感があります。
特に、坂道の多い日本においての利便性は高く、坂道走行において低速でも安定して走ることが可能です。
また、横風に対しても有効で、二輪車と比べ横風から受ける圧力は同じですが、三輪で支えることにより、二輪車のように“ふらつく”ことが極端に少なくなります。
同様に、直線走行においても安定感がある為、車体のコントロールが容易になります。
一方、二輪車と比較した際に欠点となるのが、“カーブでの走行”です。
二輪車の場合、車体を傾けて曲がる為にカーブ時の走行性能は高くなりますが、トライクの場合は、一部の例外を除き、三輪が安定している為、極端に速度を落として曲がることになります。
過去に、HONDAなどの日本のメーカーで三輪バイクを生産していたこともありましたが、カーブ時の転倒事故が多発したことにより極端に衰退していったと言う事実があります。
現在では、そのような転倒事故を回避する為に、後輪部を独立させ、車体を傾けて曲がることができるものも販売さえていますが、「HONDA ジャイロ」に代表されるように“原付トライク”に止まっているのが現状です。
他にも、前輪を二輪にして独立したサスペンションを装備したものもありますが、一般的に普及するには、まだ時間がかかりそうです。
トライクは、二輪車と四輪車の中間的な存在である為、両方の特質を持ち、また、トライク独特の特徴も持っています。その中で、大きな魅力の一つとなっているのが「走行性能」です。
●四輪との比較
四輪車とトライクを比較した際に、最も大きな違いになるのが、車体の大きさと形状です。トライクは二輪車を改造して作られる為、エンジンなどの装置自体が小さく、また、車室装備を備えていない為、同じ排気量(出力)の四輪車と比較しても、車体が軽い分、発揮される力は四輪車よりもかなり大きくなります。
具体的には、急な坂道を四輪車で登る際、軽自動車などの出力の弱いものでは、物足りなさを感じてしまうことがありますが、同じ出力のトライクでは、そのようなパワー不足はかなり軽減されます。
同様に、車体が軽い分、加速性能も向上するので、一定の速度に到達するまでの時間がかなり短くなります。
また、車体が小さいことにより回転最小半径などが小さくなり、四輪車に比べ操作性が向上します。これは、大型の普通乗用車と軽自動車とを比較した際の操作性を比べた場合と同じような状態です。
つまり、市街地などでの走行性能は、四輪車よりもトライクの方が遙かに高いということが言えます。
一方で、4つのタイヤで支える四輪車と3つのタイヤで支えるトライクでは、「安定性」という点においては、四輪車の方が遙かに勝っていると言えます。これは二輪車とトライクを比較した際の安定性能が、四輪車との比較でえは逆転してしまう、ということになります。
その為、高速走行においては四輪車の方が安定しており、このことは直線走行でもカーブ走行でも同様のことが言えます。
二輪や四輪などその形状を問わず“自動車”を運転する為には、「運転免許証」を入手する必要があります。各運転免許証には「眼鏡等」などの条件付きで発行されるものもありますが、条件によっては免許証の交付を受けることが出来ない場合があります。
例えば、自動二輪車の場合、
・自動車の運転に支障を及ぼす身体障害がないこと
・センタースタンドおよび8の字に引き廻せる体力を有すること
という条件があり、このような条件に当てはまる状態では自動二輪を運転することが出来ません。
トライクの場合、二輪車に準ずる構造を備えながら普通免許で運転することが出来る為、上記のような条件で自動二輪の免許が取得出来ない人でも運転することが可能になります。
広い意味でのトライクで言えば、その代表的なものに、高齢者向けの電動車いすや、パラリンピックの車いす陸上で使用されている三輪のものも“トライク”と言えます。
他にも、バイク事故などにより自動二輪免許が持てなくなった車いすのライダーが、二輪車から三輪車にすることで、“モーターサイクルの楽しさ”をきっかけに前向きな人生を送れるようになったとの話も聞きます。
このように、トライクは福祉の面でも活躍の場を持っており、その普及は年々広まっていると言われています。
二輪車の風を切る爽快感を二輪免許が取得できない人でも味わうことが可能な「トライク」は、四輪自動車と同じように、その障害に合わせた特殊装備さえ備え付ければ、運転することができる画期的な乗り物だと言うことが出来ます。
また、「日本障害者ライダーズ協会」では、身障者が運転することが出来る乗り物として“トライク”によるモーターサイクルの楽しみ方が紹介されています。
利便性が高く、気軽に運転することができるトライクですが、一部では否定的な意見も耳にします。
極端に言うと「二輪車と四輪車のデメリットを兼ね備えた自動車」という見方から否定的に感じられるようです。
否定派の意見としては、
(1) カーブ時に極端な減速が必要
(2) 二輪車特有の“すり抜け”がしにくい
(3) ほとんどの場合、価格が非常に高い
(4) 駐車スペースが広く必要
(5) 加速性能が悪い
(6) 雨などに濡れてしまう・気温や日差しからの保護が出来ない
(7) 事故の危険性
(8) 積載量が少ない
(1)~(5)は二輪車と比較した際に良く聞き、(6)~(8)は四輪車と比較した際に良く聞く否定派の意見です。
世の中には、“二輪車好き”も居れば“四輪車好き”も居ます。また、この両方が好きな人もいます。
例えば、“二輪車好き”の人にとって二輪車の大きな魅力の一つは、「風を切る爽快感」だと言われています。しかし、この「風を切る爽快感」というのは、デメリットとして捉えれば、(6)「雨などに濡れてしまう」ということになります。また、四輪車であってもオープンカーの場合には同じことが言えます。
逆に、気温や日差しから保護することが出来る四輪車は、「風を切る爽快感」や「加速性能」という面で二輪車から見たデメリットになります。
これらの事をを踏まえた上で、上記の8項目を解釈すれば、
(1) カーブ時に極端な減速が必要
→ 二輪車に近い走行性能のトライクも存在する
(2) 二輪車特有の“すり抜け”がしにくい
→ 四輪車より車幅が狭いので、デメリットとは言い切れない
(3) ほとんどの場合、価格が非常に高い
→ 今後、二輪車や四輪車のように広く普及されれば、価格は安くなってくる
(4) 駐車スペースが広く必要
→ 四輪車と違って、車庫証明が要らないなど、視点を変えればメリットになっている
(5) 加速性能が悪い
→ 四輪車よりは、遙かに加速性能が高い
(6) 雨などに濡れてしまう・気温や日差しからの保護が出来ない
→ 四輪車に近い安定性で、二輪車に近い爽快感を味わうことが出来る
(7) 事故の危険性
→ 安定性の面では、二輪車より優れている。車種にあった操作が重要
(8) 積載量が少ない
→ 四輪車ほどは詰めないが、二輪車よりは遙かに積み込むことが可能
このように、メリット・デメリットは“好み”による捉え方の違いによるものです。
例えば、「二輪車は怖くて乗りたくないけど、二輪車のような爽快感が味わいたい」「オープンカーのようにヘルメット無しで二輪車のように開放感を味わいたい」「二輪車に乗りたいけど、二輪免許を取りたいとは思わない」などのような場合には、トライクが理想の乗り物だということになります。
つまり、捉え方によっては、“二輪車と四輪車のメリットを詰め込んだ乗り物”が「トライク」ということも言えるのです。
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