広く知られるトライクは、ハーレーなどをベースにした“アメリカン・タイプ”などが多いですが、その他にもスクーターをトライクにしたものも数多くあります。トライクはその外観上、大型の二輪車を改造することが多いようです。
スクーター・タイプのトライクにおいても主流は大型ではありますが、実は小型のトライクもメーカーから販売されています。例えば、街中でよく見かけるピザなどの宅配によく利用されている屋根付きのオートバイも、「トライク」ということが出来ます。
このように、意外に知られてはいませんが、基本となる本体を小型のものにすることで、トライクを比較的容易に入手することも可能になります。
その小型トライクの代表的なものとして、「原付トライク」があります。要は、排気量50cc未満の二輪車(原動機付きバイク)をトライクにしたもので、法的には、トライクとは異なる解釈になります。
一般的にトライクと言われているものは、「側車付き自動二輪」の登録になり、排気量が50cc以上のものになります。一方、原付トライクの場合は、登録上では「ミニカー」として扱われます。
ただし、法的な解釈が異なるというだけで、一部(二人乗りの制限など)を除き、ヘルメットや免許、制限速度など、同じように利用することが可能です。
この原付トライクは、屋根の付く付かないに限らず、HONDAなどの二輪車を扱っているメーカーで製造されている為、トライクの新車であっても比較的安価で購入することができます。また、メーカー補償などの通常の改造トライクには無いサービスもメリットの一つだと言えます。
その他に、インターネットで良く見かけるものとして、「モンキー」「ゴリラ」「マグナ」などの小型バイクを改造してトライクにしているものもあります。
これらを紹介しているサイトを見ると、オーナー自ら改造していることが多いようです。
これらの小型バイクは、構造がシンプルになっていることもあり、改造用のトライクキットを購入することで、比較的容易に改造をすることが可能なようです。
原付トライクの場合は、購入するにしても、二輪車を持ち込んで改造してもらうにしても、比較的安価でトライクを入手することができます。
原付の場合、制限速度が30km/hのため、一般公道を走行する時には、邪魔者扱いされがちですが、トライクに改造することで、制限速度を60km/hにすることが可能なので、それだけでもトライク化にする価値はあるかと思われます。
トライクは、三輪を有するオートバイとして定義されていますが、そのタイプにも幾つかあり、大きく「後二輪タイプ」「前二輪タイプ」「サイドカータイプ」の3つに分けることが出来ます。
タイヤの配置によって、このように3つに分類されますが、そのタイの配置により形状以外の特徴も大きく異なって来ます。
●後二輪タイプ
一般的に普及しているタイプがこのタイプになります。前一輪、後二輪で、3つのタイヤが二等辺三角形の配置にあります。運転席が三つのタイヤの中心に位置し、3つのタイプの中で一番安定性があるタイプだということが出来ます。
このタイプは、更に大きく「一体型」と「後輪分離型」の2つに分けることができ、これらの特徴も大きく異なっています。
「一体型」のものは、ハーレートライクなどの一般的なトライクを指し、「後輪分離型」は、主にHONDAジャイロのような原付トライクに多く見られるものです。
「一体型」の特徴は、安定性がある分、“車体を傾けて曲がる”という二輪車のような走行が出来ないもので、カーブにおいては、かなり減速しなければいけません。
“車体を傾けられない”という意味においては四輪車と同じだと言うことが出来ますが、四輪車の場合外側の前輪でも支えることが出来る為、ある程度転倒に耐えることが出来ます。
一方、トライクの場合は、前輪が中央の1本しか無い為、四輪車のように転倒に耐えることが出来ません。その為、速度を極端に落として曲がることになってしまいます。
逆に、「後輪分離型」の場合は、後輪と車両本体が分離されている為、後輪が2本とも接地された状態で車体を傾けて曲がることが可能です。
●前二輪タイプ
前2輪、後1輪の珍しいタイプだということが出来ます。3つのタイヤが逆二等辺三角形に配置されています。現在販売されているものとしては、ピアジオというメーカーの「MP3」などがあります。
このタイプは、「後二輪タイプ・一体型」とは異なり、左右の車輪間の距離が短い構造になっています。さらに、左右のタイヤが車体を傾けた時にも接地できるようにサスペンションが組まれている為、二輪車と同じように、車体を傾けて曲がることが可能です。
その為、「後二輪タイプ・後輪分離型」に近い操作性を持っていると言えます。もちろん、3輪で車体を支えているので、二輪車より格段に安定性は高くなります。
●サイドカータイプ
二輪車の後輪に車輪付きの車体を取り付けたような構造で、3つのタイヤが直角三角形に配置されています。通常のサイドカーと同じような外見をしていますが、トライクに類されるものは側車部分も駆動する構造を持っています。
このタイプは、「後二輪タイプ・一体型」と同じように車体を傾けて曲がることが出来ません。さらに、「一体型」では3つのタイヤの中央に座席がありバランスが良く安定していますが、このサイドカータイプは、片側に側車が付いている分バランスに優れません。
トライクは、その外観の通りオートバイをベースにタイヤを三本にした形状をしています。小型のトライクなどの場合、後輪の2つのタイヤをシャフトで繋いだだけの簡単な改造にしました構造のトライクもあり、まさに“後輪を2本にしたバイク”ということが出来ます。
近年になって海外で発売されたトライクには、前輪を二輪にしたトライクもあります。特徴としては、通常のトライクとは異なり、操作性が二輪のオートバイに近いことが挙げられます。
海外の「PIAGGIO」というメーカーで製造している、「MP3」というスクータータイプのトライクです。トライクなので、当然自動車免許で運転することが出来ます。
その構造は、左右のタイヤの間隔を狭くし、車体の傾きに合わせ3本のタイヤ全てが接地される構造になっている為、2輪のオートバイと同じような操作性を持ちながら2輪以上の安定感があるようです。
また、前輪には自動制御機能が付いた特殊なサスペンションが装備されており、走行時に安定させる他にも静止時には自立することも可能となっています。
更に特殊なものとして、4輪のオートバイで日本ではトライク扱いになっているものもあります。
自動車で有名な「クライスラー」というメーカーから10台限定で販売された「Dodge Tomahawk」という車種は、前後ともに2輪の4輪バイクです。
左右のタイヤが独立稼働する為、カーブでもしっかりとタイヤが接地できるようです。
ただし、この4輪バイクは2003年のデトロイトショーに出店された特別モデルで、限定販売はされ、実際に売れたようですが、ナンバーの取得ができないらしく、公道は走れないようです。
ちなみに、この「Dodge Tomahawk」をモデルした4輪バイクが日本で販売されているようです。
トライクというとオートバイを改造した3輪のバイクを想像しがちですが、実際には、自転車をベースにした動力の付かないものも「トライク」と言われています。
とはいえ、子供用の三輪車はトライクに属さないようで、基本的に大人用の三輪車のことをトライクと言うようです。
日本でも馴染んでいるタイプのものとして、2つの後輪の間に荷物用のカゴを付けたタイプがあります。積載量が多い安定している為、日本でも広がりを見せたようです。
また、前2輪タイプのトライクは、前輪を特殊な構造にすることで車体を傾けて走行することができ、路面のショックも吸収できるようになっているものもあります。
上記の他に「リカンベント」という名の自転車にも、三輪のものがあり、その三輪のリカンベントもトライクと呼ばれています。
リカンベントとは、やや仰向けの状態で運転することができる構造の自転車で、座席と背もたれで身体全体を支える為、長時間運転していても疲れにくく、通常の自転車に比べ空気抵抗も少ないなどのメリットがある自転車です。
日本では余り馴染みのない自転車ですが、自転車が発展している海外ではメジャーな乗り物で、三輪タイプのトライクも販売されています。
そのリカンベント・トライクには、下記のような特徴があります。
・ 三輪で車体を支えているので、静止時にも転倒しない
・ハンドルの形状が様々で、通常の自転車のように前方に付いているもの他、サイドに付いているものもある
・タイヤの間に座席があり、車高を地面すれすれまで低くしたものもある
リカンベントのトライクは、タイヤの配置により名称がことなるようで、前2輪+後1輪のものを「タドポール・トライク」、前1輪+後2輪のものを「デルタ・トライク」と呼ばれています。
リカンベントのトライクは、その乗車姿勢と安定性から、身障者にも多く利用されているようで、このことはエンジン付きのトライクにも共通しているようです。
現在の「トライク」は“オートバイを改造して3輪にしたもの”という認識が強い為、「自動車ベースのトライク」に違和感があるかもしれませんが、“トライクはオート三輪に類する乗り物”という理由から、トライクに必要な免許は自動車免許となっています。
通常のトライクは、後輪部を1輪から2輪に改造することで、トライクとして生まれ変わります。全体的な構造はオートバイに近いものがありますが、実は駆動するタイヤが2本であることから、駆動部分の構造を自動車ベースにしているトライクもあります。
オートバイは駆動するタイヤが1本である為、エンジンから動力を伝えるのは1本のタイヤになります。
一方自動車は、左右の2輪に動力を伝えることになります。
仮に、オートバイと同じ構造で単純に2輪に増やした場合、左右のタイヤの間隔により、カーブを曲がる際の内輪差により片方のタイヤが空回りすることになります。その為に自動車では、デファレンシャルギア(差動装置)と呼ばれる装置によって、内側と外側のタイヤに生じる速度差を吸収しています。
この装置をトライクにも応用したのが、ここで言う「自動車ベーストライク」になります。
実際には、トライクにおける左右のタイヤの間隔は、自動車のタイヤの間隔より狭い為、それほど問題では無いとの意見もありますが、実際には、狭くても間隔はあるのでその分の内輪差は生じてしまいます。
このような構造を持つトライクは、排気量の多い大型のトライクに多く見受けられ、単純にオートバイを3輪に改造するのに比べ、部品も手間も多くかかってしまいます。その為、トライクは高額の値段になってしまいますが、構造上、必要な装置だということが言えます。
また、自動車には「独立懸架」と呼ばれるサスペンション形式が利用されています。サスペンションとは、車体が路面から受けるショックを吸収する装置で、自動車やオートバイだけでなく、最近では自転車にも付いている装置です。
この「独立懸架」という構造により左右のタイヤが別々に路面のショックを吸収するので、この構造も自動車特有の構造ということが言えます。
トライクの場合、2つのタイヤを一つのサスペンションで支えているものもありますが、走行性を重視した場合、タイヤごとにショックを吸収できる構造の方が望ましいと言えます。
このように、トライクは“2輪が駆動する”という意味では、オートバイより自動車に近い乗り物だということができる為、外観上のベースはオートバイでも、本来あるべきトライクの姿は、自動車ベースだということが言えるかもしれません。
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